育成会分会ニュース第24号でも、ご紹介しましたが、12月5日に、埼玉県の株式会社ショーワで働いていた派遣労働者の団体交渉権をめぐる中労委闘争の報告です。
ショーワ闘争 中央労働委員会 証人尋問 傍聴報告
12月5日、午前、午後にかけてさいたまユニオン・行田分会による中央労働委員会闘争で証人尋問が開かれた。株式会社ショーワとはホンダ製自動車の部品を作る会社で10社位の派遣会社から業務の穴埋め的に派遣労働者を多数雇用していた。2008年末から大量に解雇者が出て派遣労働者が組合を作り、派遣先のショーワを相手取って、契約中途解除の撤回と就業の確保を求めて団体交渉を求めたが、団体交渉を拒否してきたため、2度にわたるストライキや門前闘争などを闘った。団交に応じないため埼玉県労働委員会に不当労働行為救済申し立てを2009年6月に行ったが、同委員会は2010年6月に「ショーワは、派遣労働者に対する使用者性はなかった」との決定を出したため中央労働委員会に再審査申立てを行った。今日はその証人尋問の日だった。派遣元と派遣先企業と間には労働内容に関する契約があるが、業務内容とは別の業務を命令されてやっていた。
三人の証人は申立人側からで、1人は東洋ワークから、2人はプレミアラインという派遣元からショーワに派遣されて業務についていた方だった。派遣労働者に対して残業や休日出勤の許可は、現場の責任者である主任から出ていて、2つの勤務体制(日勤と夜勤)があり、有休休暇の取り扱いについては主任から2週間前に出すように言われていたが、夜勤については有休が認められず、不満はあったがそれにはさからえず就労してきた。派遣元は労働契約に違反してそれを事後承認していた。また労働契約にない、新しい派遣職員の教育指導や、免許を必要とするフォークリフトの無免許運転が強制され、法律違反までさせていた。フォークリフトの運転は安全衛生に係るもので、申立人たちは断わったが断わりきれず強制的にさせられていた。何でもありの会社である。また証人のうち一人は4年半以上にわたって働いていたが、「直接雇用の申し入れ」をされたことがなく、実際の業務内容について主任の命令通り勤務せざるを得なかったことを明らかにした。しかし、派遣期間を残して契約中途解除され、職を失い、住んでいた派遣元の寮からも立ちのかざるを得なかった。派遣労働者は派遣元からも派遣先からも穴埋めの駒のように使用されている。3人の申立人証人はまじめに働いて来たのに、明日から来なくていいと突然言われ納得ができない。今でも派遣労働者は不安定雇用関係におかれ、人として扱われず怒りをおさえられないと証言した。会社側証人は、会社には苦情処理委員会を設け、派遣元と一週間に一回は話し合いをしてきたが、特に苦情はなかったというが、派遣労働者が派遣元と交わした労働契約にない仕事までさせていたことは認めた。しかしこの証人は現場での実態を把握せず、管理職である主任にまかせていたのである。その主任による命令が法律違反までさせていたという実態については把握していないものである。シフトリーダーという管理職でもないショーワの社員が現場に置かれ、その人が業務指示なども行っていたが、派遣労働者にも契約にないシフトリーダー代理をさせていた。派遣労働者は弱い立場にいる。3人とも労働契約の中に、3・6協定が結ばれ派遣先もそれに従って残業や夜勤勤務をさせなければならないのに、それらを示されたことがなく、そのため3・6協定の存在も知らなかった。それなのに残業をさせ、当然とれる有休についても夜勤などは認めないというショーワの実態を明らかにした。現場の実態は主任まかせで、このような実態は事後報告で承認していたと被申立人証人は言っていたが苦し紛れの弁解にしか聞こえない。
解雇予告についても1カ月前に示し、派遣元から請求された通りの解決金を払っていると主張していたが、中途契約解除されたほとんどの派遣労働者は6割しか支払われていない(行田分会に結集した組合員、派遣元との団交の結果、ほぼ契約期間満期までの給与を保証させている)解雇され職を失い、生活がどん底まで落とされたし、派遣社員はその後も解雇されている。労働者を人間として認めていない今の派遣労働者の実態を明らかにし、実態としてショーワが使用者として存在し、派遣元はそれに従う以外にない存在であり、命令されればそのままで、派遣労働者の実態も把握していないという実態がよくわかった。この申立はショーワという派遣先企業が使用者性を持っていたことを明らかにするもので、3人の申立人側の陳述はその実態をこと細かく証言した。ショーワは派遣労働者を無法、不法に使用してきたのである。使用者性は明らかにできたと思う。公益委員長もその点について4人の証人に確かめるなど、問題の重要性を認識できたのではないか。
それにしても国会では労働者派遣法の改悪をねらった審議が行われようとしている。労働者は使用者に勝手にされるままの奴隷ではないのである。労基法に基づき憲法にも保障されている存在であるのである。
こんなことがまかり通っているからこそ、生活保護受給者が戦後最多となり200万人を超えるような状況になるのだと強く思った。
お互いユニオン同志で連帯していくことの重要性も確かめられた。
ユニオン東京合同の全日本育成会分会は、中労委の所在地のすぐ近隣である。今回の中労委も午後が早く始まったため、昼休み時間に駆け付け審問の傍聴を行った。
このような地の利を活かして、権利の剥奪する、あらゆる動きを「おかしい」といい続けるつもりだ。団結ガンバローだ。